傾き屋

とくにないです。

よりもい×極地研コラボイベントに行ってきた

「宇宙よりも遠い場所」×国立極地研究所 コラボイベント|立川観光協会

 

3/31(土)、立川の国立極地研究所が一般開放されるというので行ってきました。

本編3話で4人が行った所です。

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開場の10時前には着いていたのですが、すでに物販に長蛇の列が出来ていたので早々に諦めました。コミケでいうところの東1~2くらいまで伸びる長さで、そして圧倒的な黒服率!全体的な客層は、九割以上が黒服オタで、あとは毎年来ているような年配の方もちらほら見かけました。

 

展示列は幸いなことにすぐ入れました。

主な展示内容は、上記リンク先の通り「南極観測隊のパネルや備品展示、アニメ関連のパネル、原画展示」で、普通に見て回るだけなら30分もかからない量でした。

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ただ、観測隊員の方がパネルの前で話をしてくださって、それがどんどん色んな方向に飛ぶものだから、それだけで1時間以上が経ってしまいました。

どんな話を聞いたかメモを取ればよかったけど、覚えている限りだと

・「しらせ」が南極に着くまでの航路と、その途中で行う観測の内容
(最短航路で進めばもって早く着くけれど、海洋の定点観測を行っているので毎回同じ航路を通っている、とか)

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・他国の状況

ケープタウンから飛行機で6時間あれば昭和基地近くまで行ける、とか、アメリカ基地には1000人以上待機しているとか、わざわざ南極マラソン大会をやっているとか、領土権を主張している国の事情とか……

・お土産の氷

(ひとりあたり、ダンボール2箱分までOKだから、結構な量になる?とか。このあたりうろおぼえなので違うかも)

 

もっといろいろ聴いたはずなのに覚えてないのは不覚です。新しいことを知るための引っかかりになるような話が多かったので、ちょっとでも興味がある人は絶対楽しいと思います。

 

その他、設定画と原画は全話観終わった直後ということもあって感慨深く眺めてしまいました。作中での基地内構図とかの設定画はもう少しじっくり見たかったので、今後なにかしらの手段で読めるようになったらうれしいですね。資料集出たら買います。

ともあれ、物販効果もあるんでしょうけど、これだけ人を動員できるコンテンツなんだなあと実感できて、大変満足した見学会でした。

 

 

■おまけ

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5メートルルールの説明と、実寸5メートル先のペンギン。

 

 

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昭和基地周辺図。

 

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 別棟の科学館(常設展示)は、そのまんま3話の聖地巡礼って感じでした。雪上車格好良い。

 

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おみやげ(よりもいグッズ列とは関係なく、科学館ショップで売っていた「しらせツールボックス」(1500円)と、「南極ガチャ」(300円)から出てきた雪上車)

 

 

「宇宙よりも遠い場所」12話感想

小説を読んでいると、いつも考えることがある。

「大冒険を終えた少年少女達は、これから何を目標にして、どうやって生きていくのだろう。平和な日常に耐えられるのだろうか」と。

 

宇宙よりも遠い場所」というタイトルは、距離ではない要素としての南極を表しているのは放映前からインタビュー等で語られていたけれど、今回の12話でそれが改められたように思った。

報瀬にとっての「宇宙よりも遠い場所」は、人生の目的地であり、生きる原動力であり、もうどこにもいない母のいる場所としての、思い込みのゴールでもあった。そこへたどり着いてしまったら、その後はどうすればいいのか、という葛藤が痛いほどに描かれていた。

悩んだ末に出した答えはありきたりなものだったけれど、その尊さに価値を与えられるのは当人達だけなのだから、外野がどう思おうが知ったことではないし、それでいいと思う。

「ここに来られただけで充分」というのは紛れもなく本心だと思うけど、それでも、それ以上のことをしてくれる3人との友情、何かをしてあげたいという思い込み、ひたむきすぎて心が痛い。

後半については何を言っても無粋で蛇足だけど、メールが流れている動きだけで感情を表現してしまう手法には脱帽するしかない。よどんだ水が、全てが動き出す!1話からのすべてがここに集約されていて、本当に胸が熱くなりますね……最高です。

「宇宙よりも遠い場所」11話感想(2)

日向の同期3人に啖呵を切った報瀬が、あのときどうして泣いていたのかをずっと考えていた。もちろん、日向を思って、素直に感情を出せない彼女の代わりに泣いたということもあっただでしょう。でも、それだけじゃないような気がしたので、もう少しだけ考えてみました。

 

カメラに向かって毅然とした態度で言葉を投げた報瀬は、「けど、日向はもう歩き出しているから」ということばを口に出せずに飲み込んだ。自分はまだ過去に囚われているから、『前に進んでいる』と言うのは嘘になる。誰もそんなことは分からないのに、自分に嘘をつけないバカ正直さは、彼女最大の魅力でもあります。

 

勢いだけで語り出し、そして口をつぐんでしまった報瀬を、すかさずキマリが援護しました。その言葉は直接的には日向に向けられたものだったけど、報瀬もまたその言葉に救われて、過去との訣別を決意したんじゃないかなあと思ったわけです。だとしたら、あの涙は、痛みを伴う訣別の証だったのかなと。

 ドラム缶は祝福の鐘。

「宇宙よりも遠い場所」11話感想

これまで、日向は一貫してカメラの後に居た。

作中でも、OPでも、頑なに画面に映ることを避けていた。

その理由が在学中の人間関係にあることは幾度となく示唆されていたものの、残り3話まで引っ張るとは思っていなかった。

同年次の部員達に裏切られたことを許すことができずmまた直接怒りをぶつけることもできずにいた日向に、その二択のどちらでもない「迷いを抱えたまま生きていけ」と言い放つ報瀬のまぶしさ、最高に熱かったです。

『敵』に向けた最後のひとこと「ざけんなよ」は単なる怒りではなく『自分たちは全力で前に進んでいるんだぞ!』という自賛が見え隠れして、前々回の「ざまあみろ」という自己肯定より一歩進んでるように思えました。

 

■「許す」という行為

何か/誰かを許すということは、とても大きなエネルギーが要る行為です。

許すという行為は、「自分が抱えている不満、その原因を手放す」、「それを当人に伝える」の二つのプロセスが必要ですが、所謂いじめ問題では、前者を無視して後者を形だけ行うため、深い傷を残す例が後を絶ちません。

今回、報瀬が行った手段は、被害者である「許す側」の人間にとって、確かな救いとなったはずです。

あの啖呵は本当に綺麗だった。

普段は不器用で、自分の敵と認識した相手にしかまともに向き合えない人間が、自分のためではなく友人のために立ち上がる。こんなことをされたら、どれだけうれしいことか、それを考えると思い出すだけで感極まってしまう。

もちろん、考えようによっては独善的で、当人の気持ちを無視した行為であることは確かです。それは、直前の麻雀のシーンで視聴者に対して感覚的に予告を入れてフォローしてたことからも伺えます。結果的にOKだったので、ここではこれ以上は言いませんが。

サポートに回った二人も良かった。

この四人を見ていて気持ちがいいのは、誰かの抱える問題に直面したとき、毎回役割を変えながら全員で解決に向かう姿にあると思っています。

発進、加速、修正という三つの役割を、今回は報瀬、キマリ、結月が担当していました。特筆したいのは、前回まで「友達」とは何かを理解していなかった結月が、「これが友情ですよ!」って感覚的に理解しつつ、その言葉が、日向が思いを受け入れるための応援にもなっているという点。ホントに良いカルテットだなーと思ってしまいました。

 

最初に書いたとおり、これまでの日向にとってカメラの向こう側に姿を晒すことは、あるいは「宇宙より遠い」場所でした。

残り2話、彼女達四人が並んで映る姿が見られることを期待しています。

 

 3/18

もうちょっとだけ書きました。

katabuki.hateblo.jp

 

 

 

 

読書感想文:赤いオーロラの街で

赤いオーロラの街で (ハヤカワ文庫JA)

 

去年、とある増田↓を読んでから気になっていた本をようやく読んだ。

これを書いてから、早いものでもう九年が経った。 >でもきっと、まだま..

 

飄飄としていながら、小気味良いテンポで語られる体験談が実に興味を引かれるものだったのと、「太陽フレアが発生したときの現代社会への影響」という、201X年から地続きの舞台が興味深かったので、いつか読もうと思っていたので、期待も大きかった。

 

劇的な展開もなく、災害発生から数ヶ月間を主人公の周りの世界がどう変わったかを描くドキュメンタリめいたストーリーは、インパクトこそないものの、社会に警鐘を鳴らすための小説としてすっきりまとまっていたように思う。ただ、その分小説としての盛り上がりには欠け、ご都合主義的な締まり方には不満が残った。

 

また「本当にこんなにあっさりと復興に向かえるのか?」という疑問が湧いた。作中で、ほぼ解説文のような段落が差し込まれていたのはありがたかったけど、読後に軽く調べてみると、やはり本当はもっと危機的な時期が続くような気がしてならなかった。そしてそうならば、作品内でももう少し踏み込んでほしかった……と思わざるをえない。

なにより残念なのは、題材が深刻なテーマを扱っているため、元増田による旅人のような軽さを感じる文体と合っていなかったこと。次回作は、ぜひ別の方向性の作品を読んでみたい。

ウテナのミュージカルを観てきた(ネタバレ感想)

musical-utena.com

 

 土曜日の夜回で観てきました。

最高でした。(メリークリスマス!)←同じ回見た人だけわかる

 

僕がウテナをはじめて観たのは二十代も半ばを過ぎてから、しかも人に言われてしぶしぶ……という非常に申し訳ない出会い方でした。

そのため、全然面白さが分からないまま最終話を迎え、どうして皆が心を振るわせているのかが分からなくて距離を置いてしまいました。

その後数年が経って、改めて自発的に鑑賞したとき、世界が変わりました。

抽象的な表現をあえて具体化せず受け取り側に委ねている部分が多いので、自分のアンテナが錆びていると何も受け取れないんだということが痛いほど分かりました。

何より、どこが良かったのかと問われて、「言葉にできないけど、それで良い」と自身を持って言えるくらい作品全体が宝物のように好きになってしまった、そんな体験をした初めての作品だったのです。

 

閑話休題

ミュージカルは、ウテナという作品が「演劇→アニメ」という再構築をしている作品だったこともあり、「演劇→アニメ→演劇」という再々構築をどのようにして行うのか、という点でも楽しみだったのですが、観た後はそんなこと考えられないくらい面白かった!という感想だけが出てきました。

2.5次元と言うより、もっとアニメ寄りの2.1次元といった感じです。

(ここから語彙力がなくなってきたのでご承知おきください。あとで書き直します)

キャストのことは全然知らなかったんですが、ほんと皆がアニメそのまんまかよ~ってくらいぴったしの声をしていて、不安がすべてふっとびました。

特筆すべきなのはウテナ、川上さんとは違う、でも形而上の新しいウテナを演じてくださっていて、とてもよかったです。

ミッキーが声変わりしてたのは気にするな!

 

■演出

1話の若葉ギャグパート、ウテナに飛びつくシーンそのまま舞台でやるの!?って驚いたり、影絵少女の再現度高すぎ~って思ってたら「お頭」パートもやるの!って興奮したり、同じ舞台でクロスするように二つのシーンを織り交ぜる手法格好良すぎかよ~って興奮したりとてもよかったです。

 

■樹璃さん

宝塚~~(観たことないのにすみません)

立ち振る舞いというか、動作のひとつひとつにキレがあって、舞台に上がられるとずっと目で追ってしまう眼福状態でした。なにより目を引いたのは、殺陣(剣劇)で剣先が全然ブレない!静止した状態でもビシッと決まって美しいお姿を堪能しまくりでした。

尺の都合上、ミッキー回と同時進行で(クロスするように展開される演出は格好良かったのですが)出番が少なくて残念でした。枝織さんも汎用生徒だったので、あくまで「生徒会編」の一幕として通り過ぎてしまったのですが、出番が少ない分だけ一際輝いておりました……。

 

七実

七実回完全再現!

限られた時間でアレやるの!と思ったら、七実の方の演技が上手いことこの上なく、一挙手一投足に魅了されておりました。上手すぎません?(役者さんのこと誰一人知らないので悪しからず……)お兄様とのアドリブでのコミカルさも微笑ましかったですし、カーテンコール(左端だったので一番近くで観られました!)のときの立ち振る舞い、「2.1次元」って感じでした。

 

■若葉

完璧なギャグシーン、狂言回し、からのウテナ再起のための迫真の演技……。完璧でした。冒頭でウテナに飛びついたシーン、「実写でこれやるの?こんなに勢いつけて大丈夫か!」って思った反面、ここですでに期待値が爆上げされてしまった気がします。その期待を裏切らず、コミカル・シリアスどちらも最高の演技で、彼女の演技が一番心に響きました。

決闘に敗れた失意のウテナを再起させる(=王子様という名で縛る呪い掛け)シーン、最高でした。

(あとで追記したい)

 

 

ウテナ

最初は、なんとも思わなかったんですが、展開が進んでくるにつれ、「ウテナじゃん……」と思えるようになってくるのが面白い。無自覚で傲慢な性格が、後半はより顕著に感じられて、これだよこれ……って思えてきたり、この舞台は彼女のためにあるんだなとぼんやり考えてしまったり、そんな不思議な魅力がありました。

 

 

■カーテンコール

若葉の人が出てきたとき、劇中では耐えてたのに彼女の笑顔を見たらうっかり涙ぐんでしまいました不覚!

しかしちょっと自由すぎるというか、3回も戻ってこられて話す内容も決まってなくてフリーダムすぎましたね。西園寺&冬芽のアドリブは毎回違うとのことなので、千秋楽でどうなるか楽しみです。

 

 

 

 

 

■西園寺先輩

再現率高!

あとアドリブ、個人的にはさめさめだったけど会場全体から笑い声が聞こえてきて自分だけ取り残された感じがありました。

あまりにアドリブすぎたのか、アンシーが台詞忘れるレベルでツボってたのが印象的でした(てきとう)

 

 さんざん笑ったあと、僕は彼のことを全然笑えないことに気付いて今たいへん心が痛いです。あの滑稽さも、周りの見えなさも、自分を俯瞰してみるとそれが返ってくる。

 

 

 

 

「記事の反応を見る」のは危険だ。

SNS中毒の人に顕著だと思うことだけど、自分の意見を考える前に「他人の反応」に目を通す人は少なくないと思う。

よほど強い意志がある人や、確固たる意見を持っている人以外は、安易に他人の反応を読むべきではない。

 

理由は単純で、

1.他者の意見に影響を受けて、自分の意見を持てなくなってしまう

2.考えることを放棄してしまう

の2点に集約される。

 

自分で何かを考えたつもりでも、それが他者の意見に影響されて生み出されたものだと自覚できる人は少ない。5chやTogetterなど、偏向的にまとめられた意見なら一層危険だ。

更に、の意見を読んだ時点で考えることを放棄して、あたかもそれが自分の意見だと思い込む可能性が高い。「自分で考える」という知的訓練をしていない人は、そもそも考えることさえできない。

 

 

自分で考える前に人の考えに触れることは、とても危険なことだという認識を持ってほしいと思います。