傾き屋

とくにないです。

「宇宙よりも遠い場所」12話感想

小説を読んでいると、いつも考えることがある。

「大冒険を終えた少年少女達は、これから何を目標にして、どうやって生きていくのだろう。平和な日常に耐えられるのだろうか」と。

 

宇宙よりも遠い場所」というタイトルは、距離ではない要素としての南極を表しているのは放映前からインタビュー等で語られていたけれど、今回の12話でそれが改められたように思った。

報瀬にとっての「宇宙よりも遠い場所」は、人生の目的地であり、生きる原動力であり、もうどこにもいない母のいる場所としての、思い込みのゴールでもあった。そこへたどり着いてしまったら、その後はどうすればいいのか、という葛藤が痛いほどに描かれていた。

悩んだ末に出した答えはありきたりなものだったけれど、その尊さに価値を与えられるのは当人達だけなのだから、外野がどう思おうが知ったことではないし、それでいいと思う。

「ここに来られただけで充分」というのは紛れもなく本心だと思うけど、それでも、それ以上のことをしてくれる3人との友情、何かをしてあげたいという思い込み、ひたむきすぎて心が痛い。

後半については何を言っても無粋で蛇足だけど、メールが流れている動きだけで感情を表現してしまう手法には脱帽するしかない。よどんだ水が、全てが動き出す!1話からのすべてがここに集約されていて、本当に胸が熱くなりますね……最高です。