傾き屋

とくにないです。

CD感想「Gjallarhorn/ゆや。」

 C91のCDなんですが、紆余曲折あって今更入手したのです。

 

 こちらのサークル「ゆや。」(自分が知ったころのサークル名はササラヤ)は、以前BM98で作曲をされていたり、東方アレンジをされていたころからのファンだったので、C91で新譜が出ていたことを知らなかった自分を殴りたい勢いでそのままDL版を購入しました。

 

いきなり話がそれますが、

自分が一番好きなのは、東方アレンジCDの「六十年ノ色彩」に収録されている「なけなしの春を探して」というアレンジ曲で、その曲に違わず厳かな冬のイントロが始まったと思いきや、力強いリズムが流れてきて、新しい季節の到来をストレートに表現しています。そして、ノスタルジアを感じさせる旋律が静かに流れてきたあとの疾走感がたまりません。以下URLでご本人が全曲公開されているので聴いてみてください。

 

http://tsubu.ath.cx/~ssry/60_shikisai/

 

閑話休題、以下本題。

 

>退廃と幻想・希望と絶望全部ひっくるめてお届けします。

gjallarhorn-yuuyu.tumblr.com

と、あるように、明るさの中に絶望があり、希望の中に闇がある。そんな相反する概念を1曲の中に押し込めているのがよく分かりました。

特に気になったのは、3曲目の「アリスを探さないで」。

ポップで軽やかな曲調の裏に潜む、切なく悲しい旋律が後半になるにつれ前に出てきてつらい気持ちにさせられたのに、それでも前に進まないといけないという強い意志を感じ取ってしまいます。何度もループして聴くことで、曲の意味を分かる気がします。

 

ハッピーエンドのその先が、ずっとハッピーとは限らない。どこをエンドとするかは、自分で決めないといけないんだという不条理にどう向きあうか、もう少し考えてみようと思いました。

 

 

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で、このCDで一番すごいのが表題曲の「G j a l l a r h o r n」。

激しいドラムで焦燥感を掻きたてられるように始まったかと思うと、弦とピアノがもの悲しい旋律を静かに奏で、滅びを予感させる。そして、その予感を大きく裏切るように、一気に噴出するパワー。大地が割れ、空が紅く染まり、雄大な世界が滅ぶ様を俯瞰しているような体感!あまりに圧倒されて、外にいるのに叫びながら泣きそうになってしまいました。悲しさと無縁の旋律で、ここまで心を揺さぶられたことが今まであっだろうか。

この曲だけでも聴いて欲しいと思うものの、クロスフェードじゃ聴けないのでした(買って)